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 肝臓の疾患

目次
肝臓の疾患について | 肝炎(急性肝炎・慢性肝炎) | A型肝炎 | B型肝炎 | C型肝炎 | E型肝炎
急性ウイルス性肝炎 | A型肝炎 | B型肝炎 | 劇症肝炎 | アルコール性肝疾患(肝障害)
脂肪肝 | 肝血管腫 |
肝細胞癌 | 高分化型肝細胞癌

 E型肝炎
概要 経口感染
原因 E型肝炎ウイルスに汚染された飲料水や食物を介して感染します。
症状
約6週間の潜伏期間後に、吐き気、食欲不振、腹痛などが生じる。
発症から1ヶ月で完治する。
慢性化はしない。
診断
RT―PCR法
ELISA法
治療
対症療法
血漿交換療法 劇症肝炎の場合
備考 妊婦では劇症化しやすく死亡率が高い。
感染症法で4類感染症に分類

●E型肝炎の関連情報サイト
厚生労働省ホームページ E型肝炎ウイルス感染についての説明など
国立感染症研究所感染症情報センターホームページ E型肝炎ウイルス感染についての説明など


劇症肝炎
概要 重症の急性肝炎

高度の肝機能不全
意識障害、肝性昏睡
原因
ウイルス 肝炎ウイルス(A型、B型、C型、D型、E型)
※B型肝炎ウイルスによるものが多い。
薬物
症状
初期→発熱、かぜ様症状、倦怠感など
黄疸、腹水
肝性脳症
診断
診断基準
発熱、かぜ様症状、倦怠感などの肝炎様の症状が現れてから8週以内に肝性脳症が現れる。
急性型 10日以内に肝性脳症が現れる
亜急性型 11〜56日以内に肝性脳症が現れる。
高度の肝機能不全を表す血液生化学検査であるプロトロンビン時間が40%以下を示す

血液検査
血液生化学検査
プロトロンビン時間の測定
肝炎ウイルスマーカー
治療
薬物療法
人工肝補助療法 体内の中毒性物質の除去と不足した必須物質の補充
抗ウイルス療法 原因ウイルスが判明している場合
備考

●劇症肝炎の関連情報サイト
昭和大学藤が丘病院劇症肝炎ホームページ

●劇症肝炎の患者さん関連情報サイト
劇症肝炎家族会ホームページ



 アルコール性肝疾患(肝障害)
概要 アルコールの摂りすぎにより肝臓が負担を受けて起こる病気の総称。
はじめにアルコール性脂肪肝を生じ、その後も飲酒を続けるとアルコール性肝炎を引き起こすケースが出てくる。
原因
慢性的な大量の飲酒
日本酒で約5合、ビール大びんで約5本、ウイスキーではダブルで約5杯以上の慢性的な飲酒。
症状
アルコール性脂肪肝 通常は無症状
アルコール性肝炎 発熱、黄疸、右上腹部痛、圧痛、食欲不振、嘔吐、下痢など
アルコール性肝硬変 糖尿病、下腿の浮腫、黄疸、腹水、痔出血、吐血など
診断
血液検査
治療 断酒

重症型アルコール性肝炎 肝性脳症や肺炎、急性腎不全、消化管出血などの合併症を伴い、禁酒をしても1カ月以内に死亡する

●アルコール性肝障害の流れ
アルコール性脂肪肝
アルコール性肝炎
アルコール性肝線維症
アルコール性肝硬化症
アルコール性肝硬変
アルコール性肝不全

●アルコール性肝炎の関連情報サイト
サントリーホームページ 知る・楽しむのコーナーにアルコールに関する情報があります。



 アルコール性脂肪肝
概要
原因
アルコール
症状
診断
治療
備考 アルコール性脂肪肝では、肝臓の繊維化が進むため肝硬変に進行しやすくなる。



 非アルコール性脂肪肝
概要
原因
肥満
糖尿病
高脂血症
症状
診断
治療
備考



 薬物性肝障害 (薬剤性肝障害)
概要
薬物が原因で起こる肝障害のこと。

中毒性肝障害 日本で使われている薬剤は安全基準が定められており、使用量や使用法を間違えることがなければ中毒性肝障害を起こすことはほとんどない。
しかし、食品に分類されるサプリメントや自然食品では注意事項の表示など義務づけられていないため、中毒性肝障害や死亡に至るケースもある。
アレルギー性肝障害 薬物性肝障害の大半を占める。
原因
中毒性肝障害 肝臓の代謝能力を上回る量の薬物の服用。
アレルギー性肝障害 体内でアレルギー反応が起こり、肝細胞障害が生じる。
症状
診断
血液検査
治療
備考



肝性脳症
概要 肝臓が機能不全になるとさまざまな代謝産物が体内に溜り、神経有毒物質により神経症状が現れる。
原因
肝機能不全 肝硬変などによる
門脈大循環性脳症 門脈の血液が肝臓に入らず、肝臓での処理を受けることなく大循環系に流入する短絡路(シャント)による(シャント脳症
尿素サイクル酵素欠損症 尿素を処理できずアンモニアが大量に生じる。

アンモニア 脳内の神経伝達障害を起こすと考えられている。
症状
多幸気分、異常行動、せん妄、見当識障害、言語障害
不随意運動、固定姿勢保持困難、羽ばたき振戦など
診断
臨床診断 肝臓の基礎疾患の有無
脳波
治療
備考



肝不全
概要
急性肝不全
慢性肝不全
原因
症状
診断
治療
備考



原発性胆汁性肝硬変
概要 肝臓のなかの小葉間胆管から隔壁胆管にかけての部位が、自己免疫の機序によって徐々に破壊されるために胆汁の流れが悪くなり、その結果、肝内に胆汁のうっ滞が起こり、最終的に肝硬変へと進行する病気。
原因 不明。
胆管上皮細胞を標的とした自己免疫反応により胆管破壊が起こると考えられている。
症状
皮膚のかゆみ
黄疸
黄色腫
肝腫大
骨粗鬆症
食道静脈瘤
胆汁性肝硬変 高度の黄疸、腹水、浮腫、脾腫、血小板減少など
診断
血液検査 抗ミトコンドリア抗体陽性
肝生検 腹腔鏡下またはエコーガイド下
治療
薬物療法
肝移植



肝膿瘍
概要 細菌や原虫などが肝臓内に進入・増殖して、肝臓内に膿瘍を形成する病気。
原因
細菌性
総胆管結石や胆道系の悪性腫瘍により胆汁の流れが障害され腸内細菌が逆行性に胆管に流れ込み胆管炎を起こし引き続いて膿瘍ができる。
急性胆嚢炎や大腸がんなど周辺臓器の炎症などが波及して膿瘍を形成する。
虫垂炎や憩室炎などにより細菌が門脈をへて肝臓に進入し膿瘍を形成する
肝がんなど治療後に発症
アメーバ性
赤痢アメーバの経口感染
衛生状態の悪い地域での飲食物より赤痢アメーバに感染して大腸炎を起こし、引き続いて肝臓に膿瘍ができる。
症状
発熱、上腹部痛、右季肋部痛などの炎症症状
黄疸
アメーバ性膿瘍では血性下痢
診断
臨床症状
血液検査 白血球、CRPの高値、肝機能の数値の上昇
腹部CT検査
腹部エコー検査
腹部MRI検査
膿瘍穿刺ドレナージ後の細菌培養検査
治療
細菌性
薬物療法 抗生剤
膿瘍穿刺ドレナージ
冠動脈カテーテルによる抗生剤の動脈注射
外科的手術

早期に治療しないと敗血症や播種性血管内凝固症候群(DIC)を引き起こして死亡する危険性がある。
アメーバ性
薬物療法 メトロニダゾールの経口投与
膿瘍穿刺ドレナージ
外科的手術
備考 赤痢アメーバの経口感染は海外渡航者に多く認められる。



自己免疫性肝炎
概要
病気の発症や進行に自己免疫が深く関係している慢性的な肝炎。
原因 薬剤の使用やウイルスの感染が関係しているとされている。
症状
倦怠感
黄疸
その他 食欲不振、関節痛、発熱など
診断
血液検査 AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇
ビリルビン値の上昇
肝生検
治療
薬物療法 副腎皮質ステロイド薬
備考

●自己免疫性肝炎の体験情報サイ
誰レバー 自己免疫性肝炎闘病記ホームページ



うっ血肝
概要 急性心筋梗塞などによる急性心不全や心臓弁膜症などで心臓のはたらきが悪い慢性心不全により血液が循環しないために肝臓に血液がうっ血して肝臓が腫大する疾患。
さらに低酸素血症も加わることにより肝臓の組織が障害を受ける。
原因 急性心不全や心臓弁膜症など
症状
頸静脈の怒張
下肢のむくみ
呼吸困難
肝機能障害
診断
血液検査
腹部CT検査
腹部エコー検査
治療
備考



肝硬変
概要
びまん性の肝細胞の炎症と壊死、再生が繰り返し起こり、高度の線維が増生し肝臓が小さく、かつ硬くなる。

肝機能の低下
門脈圧亢進
門脈―大循環系短絡(シャント)形成
原因 ●主なもの
ウイルス性 (主にC型肝炎ウイルス)
アルコール性
自己免疫性
薬剤・毒物性
症状
腹部膨満感
腹痛
全身倦怠感
悪心、嘔吐

皮膚 クモ状血管腫、女性化乳房、皮膚の色素沈着、出血傾向、太鼓ばち状指、白色爪など

●重症化すると
黄疸
腹水
吐血
肝性昏睡
診断
血液検査
腫瘍マーカー 危険群の人は2〜3カ月に1回実施
腹部CT検査 ※危険群の人は6カ月に1回実施
腹部エコー検査 危険群の人は3〜6カ月に1回実施
腹部MRI検査
治療
生活指導 食事療法、禁酒など
薬物療法 肝臓用薬
備考
3大死亡原因
肝がん
肝不全
食道静脈瘤の破裂による消化管出血




慢性(受動性)うっ血肝



中心性出血性肝壊死 -
肝梗塞 -
肝臓紫斑病
肝静脈閉塞性疾患
門脈圧亢進(症)
肝腎症候群
寄生虫症における肝障害

肝包虫症
概要 包虫の感染により生じる。
疾患を総称します。単包虫症と多包虫症とがあり、前者は単包条虫、後者は多包条虫の感染により起こります。
原因 成虫はキツネやイヌなどに寄生している。
糞便として排泄された虫卵に汚染された水、食べ物、ほこりなどを口から摂取することにより感染する。
卵は十二指腸内で幼虫となって腸管から門脈に侵入し肝に達し、嚢胞を形成する。
症状
感染してから症状が出るまでは長い年月がかかる。
腹部膨満感、腹痛など
進行すると、黄疸、脾腫、腹水など

単包虫症 大きな嚢胞を形成
多包虫症 包虫が外に増殖して蜂巣状構造を形成する。他の臓器にも転移する。
診断
血清診断
ELISA法
ウエスタンブロット法
腹部CT検査
腹部エコー検査
腹腔鏡 肝表面の観察と肝生検
治療
外科的手術 包虫の摘出
薬物療法 包虫駆除薬アルベンダゾール
備考
肝のほかに肺、骨髄なども寄生する。

単包虫症 あまりみられない。
多包虫症 日本では北海道にみられる。

アミロイド肝
概要 肝臓にアミロイド線維蛋白という異常な蛋白が沈着し肝障害を起こす。
通常は全身性アミロイドーシスの一部の症状として発症する。
原因
症状 ほとんど無症状
診断
血液生化学検査 血清アルカリホスファターゼ値の軽度上昇。
CT検査 肝臓の腫大
治療
末梢血幹細胞移植(PBSCT)を用いた大量化学療法
備考 肝腫大を起こしやすい。

肝臓損傷
概要
原因 交通事故や転落などによる。
ハンドルや右下部肋骨骨折など外部から力が加わることによる。
症状
診断
臨床症状
血液検査 トランスアミナーゼが上昇
腹部エコー検査
腹部CT検査 造影CTにより造影剤の漏れなどを調べる。
治療
薬物療法
肝臓動脈塞栓術 コイルなどを用いて出血している動脈を詰めて止血する。
外科的手術 大量に輸液投与をしても血圧が不安定な時
備考 腹腔内臓器のなかでは最も損傷の発生頻度が高い臓器

肝のう胞
概要 肝臓のなかに液体のたまった袋ができる
原因
先天性 大部分
後天性 外傷性、炎症性、腫瘍性、寄生虫性など
症状 無症状であるが、大きくなると腹部膨満感などが出現することがある。
のう胞内に感染があれば発熱や腹痛などを起こすこともある。
診断
腹部CT検査
腹部エコー検査
治療
症状がない場合 経過観察で特に治療の必要はない。
症状がある場合
エコーガイド下穿刺 エコーで見ながら穿刺針を経皮的にのう胞に穿刺して内容物を排液する。排液にアルコールなどを注入しのう胞壁の細胞を死滅させる。
外科的手術
内視鏡的手術
備考 50歳以上の女性に多い。

肝内結石症
概要 肝内胆管に石が発生する疾患。
結石により胆管炎を繰り返すと、肝硬変や肝不全を引き起こすことがある。
原因 不明
症状 腹痛、発熱、黄疸など
診断
腹部CT検査
腹部エコー検査
磁気共鳴膵胆管造影(MRCP)
経皮経肝胆道造影(PTC)
内視鏡的逆行性膵胆管造影
(ERCP)
治療
外科的手術 肝切除術
経皮経肝胆道鏡(PTCS)による治療
備考
肝移植


肝細胞癌
概要 原発性肝がんの約90%が肝細胞がんで、約10%が胆管細胞がんである。
原因
B型またはC型肝炎ウイルスに感染。
基礎疾患として、慢性肝炎、肝硬変がある。
長期間の肝細胞の破壊と再生により肝がんを発症するとされている。
症状
直径5cm以内 無症状
5cm以上
腹部膨満感、腹痛など
黄疸
腹水
診断
血液検査
(腫瘍マーカー)
AFP 慢性肝炎や肝硬変だけでも高くなることがある。
PIVKA-U 3cm以下の肝がんでは陽性になることが少ない。
腹部CT検査
腹部MRI検査
腹部エコー検査
治療
外科的手術
経皮的エタノール局注療法
(PEIT)
経皮的マイクロ波凝固療法
ラジオ波凝固療法
肝動脈塞栓療法
腹腔鏡下手術

治療法の選択
腫瘍の数
腫瘍の大きさ
肝機能の程度
存在部位
備考 慢性肝炎や肝硬変の患者さんは年に数回、検査を行なう。

肝の悪性新生物
肝細胞癌
肝内胆管癌
肝芽(細胞)腫
転移性肝癌
肝血管肉腫


●肝細胞癌の関連情報サイト
国立がんセンターがん対策情報センター
日本肝臓学会
日本肝癌研究会
肝内胆管癌
肝芽(細胞)腫

肝臓病の関連情報サイト
肝臓病の小径ホームページ
東京肝臓友の会ホームページ
生体肝移植まとめサイト

肝臓病の患者会
全国肝臓病患者連合会

全国の肝臓病の患者同士の集まりによって作られた患者団体のサイトです。









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