概要 |
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血液凝固因子のうちVIII因子、IX因子の欠損ないし活性低下による遺伝性血液凝固異常症である。 |
血友病A |
第VIII因子の欠損あるいは活性低下による |
血友病B |
第IX因子の欠損あるいは活性低下による |
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原因 |
性染色体であるX染色体上にある、血液凝固因子の第VIII因子、第IX因子をコードする遺伝子に変異が入ることによって引き起こされる。伴性遺伝。
劣性遺伝子であるため、X染色体が二本ある女性の場合には、もう一方のX染色体に異常がなければ機能が補完されるため発症する事がない。
そのため血友病患者のほとんどが男性であり、女性は全血友病患者の1%以下である。かつては血友病遺伝子は致死遺伝子と考えられていたが、女性患者の存在が確認されているため、現在では致死遺伝子であるとは考えられていない。
基本的には遺伝病であるが、突然変異により非保因者の女性から血友病の子供が生まれる場合もある。
実際には血友病患者の25%前後が、家族歴が不明の突然変異と言われている。
ただし母親の保因/非保因の検査、判断が難しく、最終的にはDNA検査を要する。
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症状 |
A型もB型も症状は同じで血液凝固因子の不足により血液の凝固異常が起こる。
出血様式は深部出血が中心で、特に関節内や筋肉内で内出血が起こりやすく、進行すると変形や拘縮を来たす。
また、一度止血しても、翌日〜一週間後に再出血を起こすことがある。
稀に頭蓋内(帽状腱膜と頭蓋骨骨膜との間)で出血を起こす場合があり、放置すると脳を圧迫し重症化する。
一般的に因子活性率が1%未満を重症、1%〜5%を中等症、5%以上を軽症と慣例的に呼んでいる。
血友病は幼児期までに大部分が発症するが、軽症患者の場合は非血友病の人と変わらない生活を過ごし、抜歯などにより初めて判明することもある。
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診断 |
血小板機能は正常なので、出血時間は正常。
第VIII,IX因子共に内因系凝固因子なので、プロトロンビン時間(PT)正常・活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)延長を来たす。 |
治療 |
因子補充療法 |
欠損している血液凝固因子を体内に注入する。
現在ではこの補充療法により、健常者とほぼ同じ生活が可能となっている。
補充は欠損因子の活性が20%以上になる程度を目標とする。 |
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数年前まで遺伝子治療の研究が続けられていたが、臨床試験により高い確率で白血病が発症することが分かり、現在、遺伝子治療の研究は事実上停止状態となっている。 |
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日本においてはまだまだ専門ではないDRが診察をしている場合が多く患者に正確な医薬品情報が伝えられていないことがある。 |
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備考 |
男児出生数の5000〜1万人に1人が血友病患者である。
血友病Aは血友病Bの約5倍である。 |