概要 |
口腔から肛門まで(主に小腸と大腸)の消化管全域に、非連続性の炎症および潰瘍を起こす原因不明の疾患。
炎症は粘膜から漿膜まで進行し、それにより腸管が狭窄し腸閉塞を起こしたり、穿孔や瘻孔を生じる。
|
原因 |
遺伝的な要因と免疫系の異常、環境的因子などが関係しているとされている。
食生活の欧米化により、動物性蛋白質や脂質の摂取が増えたためもいわれている。 |
症状 |
腹痛 |
炎症による狭窄や潰瘍により痛みが生じる。 |
下痢 |
一日に数回以上の下痢 |
体重減少 |
栄養吸収の役目をする小腸に病変が生じるため。 |
肛門部病変 |
痔ろう、裂肛 |
|
診断 |
臨床症状 |
腹痛と下痢の繰り返し、肛門部病変などよりクローン病を疑う。
鑑別としては、潰瘍性大腸炎、ベーチェット病などがある。 |
血液検査 |
白血球数、CRP、赤沈、アルブミンより炎症の判定 |
便潜血検査 |
|
注腸検査 |
腸管の狭窄や縦走潰瘍といわれる腸管に沿って続く潰瘍、敷石状の腸管などがみらえる。 |
大腸内視鏡検査 |
|
|
|
|
治療 |
食事療法
(栄養療法) |
腸管を安静にし、炎症を抑える。
症状により、成分栄養剤や持続点滴を行う。 |
薬物療法 |
5-アミノサリチル酸製剤
重症例ではステロイドによる治療を行う場合もある。 |
外科的療法 |
|
白血球除去療法 |
体外に循環させた血液を装置に通して、炎症発生機序の要点となる白血球を取り除く。
※クローン病は保険適応になっていない。 |
|
備考 |
|